グランドSM(期間限定ver) 53
前回はこちらへ 自分の体が自分ではどうにもならない。 少し離れたところにいる久美は、舌なめずりをしそうな目で痙攣している母の肉体を見つめている。 大きなダイヤルには細かいメモリがついており、右に回すほどショックも強くなるようだ。時計の文字盤でいえば二時ぐらいから四時ぐらいが赤い目盛になっていて、そこが危険域であることもわかる。 「電流責めは難しいんですよ」と本山が言う。 「一時的に体が動けなくなるようなスタンガンでは、高い電圧を短い時間発生させるのです。電流は低くなるようにしているというけれど、電圧と電流は比例するので、問題は通電時間です」 「ぎゃあああ」 貴子の悲痛な叫び。骨のきしみが聞こえそうなほど暴れている。 「電流でいえば、一ミリアンペアが人間の感じる一番低いレベル。ですが十ミリアンペアになるとかなりキツイ。いまがそれです。とはいえ電極の部分や体調などによっても違っていくるらしい。うちでは短時間なら二十から三十ミリアンペアまで試していますね」 それは赤い目盛の手前だった。 「あの赤いところは?」 「四十を超えるととても危険です。電気イスです。この装置は最大が四十。三十から四十はその意味でレッドゾーンです。もっとも五十でもすぐ死ぬようなことはないとも言われていますけどね。個人差があるし」 貴子の痛みは演技ではないことぐらいわかる。人間はあんな風に筋肉を痙攣させて苦しむ演技はできない。人間はすべての筋肉を意識して動かせているわけではないのだから。 「五ミリアンペアぐらいなら、健康にいいという説もありますよ」と本山は笑う。 「貴子様!」 真津美は彼女の好きな女性の苦悶に、自分のことを忘れて泣いている。 「じゃあ、仲良く真津美にも電気をあげようか」 本山は、貴子の左の乳房からクリップを外すと、それを真津美の左の乳首に取り付けた。さらに真津美の右の乳首に細い針金を巻き付けると、それを貴子に突き刺さっている針に巻き付けた。 「コイル状にすると抵抗になることもあるし、電流を高めることもあるので、どうなるかわかりませんけどね」 そして通電。 「ぎゃわああ」 「ふぎいいい」 真津美の暴れ方はすさまじく、アヌスに半分ほども入っていた棒をいっきに排泄してしまった。 会員たちが笑う。 「すごいじゃないか」 まだ通電が続いている。 髪の毛が逆立っていく。 まさに拷問だ。 その背後にいつの間にか久美がいた。 「だめだ!」と本山が叫ぶより早く、久美は貴子と真津美の肩に手をやった。 会員が慌ててスイッチをオフにするのだが、一瞬遅く、久美の体にも電流が流れたのだろう。 「あっ」 ボイスチェンジャーが奇妙な音を立てて、久美は崩れ落ちた。 「ムチャするねえ」 私は慌てて久美を抱き上げる。心臓は動いている。目も開いていた。 「すごかった」 とろんとしたその目は、自分も拷問を受けたかったのだと語っていた。 女王様気取りだった久美も、被虐に泣き叫ぶ母と真津美を見ていて、我慢できなくなってしまったのだろう。 「困ったやつだ」 「お願い、私にも、して、ください」 そして、私のスキをついてマスクを外してしまった。 「いいのか?」 「はい」 「わかった」 もう止めることはできない。 私は会が用意していた大型犬用の首輪を久美につけ、リードを手にすると、部屋の端まで四つん這いで歩かせた。練習がてら、電流で受けたダメージから回復していることを確認すると、貴子と真津美の正面に周り込む。部屋の端にいるので、彼女たちにはすぐには久美とはわからないだろう。 真っ直ぐ彼女たちに向かって歩かせる。 久美が二人の正面にくると、正座し、顔にかかる髪をうしろにはねあげる。 「久美!」 「久美ちゃん」 貴子と真津美もようやく気づく。波状的な電流責めを受け続けていたのだから、事態を把握できずにいたのも仕方がない。 「お母様、真津美様。私も奴隷にしてください」 深々と頭を下げた。私が教えた虎穴会の奴隷の土下座。両手を伸ばし、額を床につけている。 「お義父様、むごい……」 貴子が涙でぐしゃぐしゃの顔で訴える。「久美まで……」 「ちがうんです」と久美は土下座のまま叫ぶ。「久美はずっと知っていました。お父さまとお母さまの秘密のプレイ」 「えっ!」 私は貴子のスマホを持ってきて、貴子の顔を認証させて開く。写真のフォルダを開き、そこに残された息子に撮影された恥ずかしい貴子の姿を見つける。 「これだよ。隠し通せると思ったのか?」 「い、いつから?」 「ずっと前です。幼稚園に入ってからオナニーもしていました」 「まあ」と真津美も声をあげる。「じゃ、久美ちゃんは……」 「はい。真津美お姉様と同じです。女王様のように酷いことをしてすみませんでした!」 これ以上、この話をダラダラさせるわけにはいかない。会がしらけるだろう。 私は本山に耳打ちし、三匹に猿ぐつわを取り付けた。 「これで面倒な話は終わりだ」 ★『亜由美 灼熱編』★ DMM.R18版はこちらへDLサイト版はこちらへ アマゾンkindle版はこちらへ 亜由美のその後を追う「外伝」。亜由美が自ら語るパルダ王国へ奴隷として留学させられた日々。拷問調教での傷を癒すため貨物船に乗せられ、種付けされながら王国へ。そこで待ち受けていたものは……。連載時にはなかったエンディング。 ★『亜由美 降臨編』★ アマゾンへはこちらへ DLサイトはこちらへ DMMはこちらへ 亜由美シリーズ完結編。『一部~三部』『灼熱編』を経た亜由美が帰国。武器を身につけた彼女の復讐がはじまる。『安里咲1、2』の後日談と一体化したストーリーは最後まで目を離すことができない展開です。亜由美と安里咲の有終の美をお楽しみください。 今日のSMシーン 女教師in...(脅迫スイートルーム) 末広純末広純350円 |